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【短歌集】人の死なない話をしよう / 笠原楓奏(ふーか)
¥2,200
ご好評につき増刷しました!(2023.7.10追記) (300冊超えました!ありがとうございます!!) 短歌作家・笠原楓奏(ふーか)の記念すべき第一歌集がついに発売となりました。 130mm×130mm、多分史上初?CDサイズの歌集です。 短歌の定義を問いかけて歌集の定義を覆す、そんな作品群となっています。 やっちゃいけないわけじゃないのに誰もやっていないことを存分にやらかした一冊。 ”普通の”歌集とは良い意味でも悪い意味でも一線を画しているかと。 短歌に慣れ親しんでいない方にもぜひお手にとっていただければ幸いです。 全70頁、”約” 250首 収録 専用ケースと特製の栞1枚をセットにしてお送りいたします。 クリックポストにてお届けいたします。 *短歌について 短歌は五七五七七のリズムで紡がれる詩の形式の一つで、古くから親しまれています。 百人一首などでもおなじみですね。季語は必要ありません。 歌集とはいくらかの短歌を一冊の本にまとめたもののことを言います。 *著者略歴 高校在学中に友人から薦められ短歌と出会う。 その後数年の時間を置き、Twitter等インターネットを中心に作品を発表し始める。 2019年には小品集『「やれること全部やる」「池の水全部抜くみたいに言うなよ」』をネットプリントの形式で配信し、Twitter歌人の間でちょっと話題になる。 「上手い歌ならいくらでも読める昨今、誰か一人で良いので人を救える短歌を詠みたい」というスタンスでの作品は、決してバズることは無くとも特定の人の記憶に残っている。 Twitter→ https://twitter.com/Fuka_Kasahara PVができました。(2021.1.17追記) https://youtu.be/GblHwpcQqMc 主題歌ができました。(2021.3.11追記) https://youtu.be/tjBF7cSnMc0 人の死なない話をしようをもっと楽しむための本ができました(2021.3.31追記) こちらは無料ですので読んだ後でも読む前でもお楽しみいただければと思います。 https://drive.google.com/file/d/1gIw32tHIgot933f1QdCQirf36VAE8ZIr/view?usp=sharing 書評をいただきました。 https://note.com/landandfreedom7/n/n5993d40a7f3b https://note.com/eiji_masu/n/nc5c200d775f9 購入者様の感想等をまとめました。(2021.4.4追記) https://togetter.com/li/1692463
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【故郷のつながり】DET DURAR / Josefina Paulson & Carina Normansson【北欧CD】
¥2,800
スウェーデンのVästmanland地方出身のフィドル・ニッケルハルパ奏者2名によるデュオのレコーディング。収録曲としてはVästmanland地方の、「トラッドとして扱われているものの作曲者が特定できる程度には近代の曲」を多く収録しています。 別途コラム(https://www.resono-sound.com/2020/06/22/post-820/) にも書きましたがスウェーデン音楽におけるデュオというものはもはや「完成」された編成で、それをひたすら感じられるのがこちらのアルバムになっています。特に同じ地方のriksspelman(公認民族音楽家)を取得している2人ですので、その息のぴったりさは群を抜いています。ひとくちにスウェーデン音楽と言っても地域によって特徴は様々ですからね。 また、ヨセフィーナがフィドルを弾いている珍しいアルバムでもあります。(半分以上はニッケルハルパかコントラバスハルパですが。) 2人で弾いていたメロディが気付かないうちにどちらかがハモりへ移り、ときにはいわゆる伴奏の音型すら使いながら、2本の楽器とは思えない一体感を聴かせてくれます。特にヨセフィーナがフィドルを持っている曲はどちらがどちらか分からないくらいに混ざり合っています。 とてもトラッドなCDではありますが、選曲がちょうど良くて聞き飽きたり疲れることなく楽しめるかと。その「伝統性に良い意味で反した親しみやすさ」が魅力の2人です。 伝統性 ★★★★★ 癒やし ★★★☆☆ 演奏技術 ★★★★★ 一体感 ★★★★★ 民族音楽感★★★☆☆ 全17曲 約40分
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【ギター革命】ROSCO / Roger Tallroth & Scott Nygaard 【アコースティックCD】
¥2,800
スウェーデンのフォークバンドVäsenでも活躍していた12弦ギターの奏者Roger Tallrothと、ブルーグラスなどのアコースティックなジャンルで名を馳せるScott Nygaardのデュオアルバム。ゲストとしてEmma Reidがフィドルで参加しています。 方向性としてはケルト圏の音楽性、スウェーデンの音楽性と、ブルーグラスの要素、ジャズ的な語法、など様々な要素がおり混ざってオリジナリティのある音楽を生み出しています。 とにかく疾走感に溢れていてかっこいいアルバムですね。 2曲をセットにして収録するのはアイリッシュ的ですが、1曲がpolskaというスウェーデンの音楽だったりするのでもう本当に彼らにしか出来ないことをしているなという印象です。 ちなみにRogerは無印良品BGM8のストックホルムをプロデュースした人でもあるだけに、全体的に無印良品っぽさは感じるかもしれません。あれをかっこいいに全振りした感じです。 オリジナル度★★★★☆ 勢い度 ★★★★★ 演奏技術 ★★★★★ 民族音楽感 ★★☆☆☆ 全13曲 約50分 こちらのCDはYouTubeで全曲の試聴が可能です。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nKORMgus3Ie4aPRMqZsrSscmv6fOgl5sA
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【フィドルとヴィオラの縁結び】Marin Marin【北欧CD】
¥2,800
5弦フィドルのMia Marinと5弦ヴィオラのMikael Marinによる奇跡の弦楽デュオ、Marin MarinのCDを3タイトル入荷しました!! 紹介記事はこちら→https://resonosound.thebase.in/blog/2021/06/12/134748 語るより聴いていただいた方が早いと思うので下に掲載の動画をご覧ください。 それぞれ、 「Tiden」ほぼオリジナル 2016年リリース 「Småfolket」ややトラッド寄り 2011年リリース 「Mot Hagsätra」トラッドとオリジナル半々 2008年リリース という感じですのでお好みに合わせて、あるいはお気に召した場合は片っ端から聴いても損は無いミュージシャンだと思います。 伝統度★★★★☆ 楽しさ★★★★★ バラエティ度★★★☆☆ 演奏技術★★★★★
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【快活に、激しく】Allegro Violent / Erika & Cecilia【北欧CD】
¥2,800
超絶クールなフォークデュオ、Erika & Ceciliaの2019年発売の新譜が入荷しました! 4thアルバムになります。 フィドルのErikaとニッケルハルパのCeciliaによるデュオのCDは他に2種類取り扱いがございますが、かっこよく、魅せるような方向性はそのままに、より技術を着実な物にしてきたという印象です。 3曲目がニッケルハルパの高速ピチカートを伴奏に二人で歌う曲となっているのですが、それもまたかっこよくて…間奏のフィドルも良いですし、最終的に弾きながら歌うので二人で4つの音を操ることになっています。凄まじい。 やはり彼女たちの魅力は惚れ惚れするくらいかっこいいことにあると思うので、2ndから10年近い年月が流れてもその部分が保たれていて非常に嬉しかったです。 突き進むErikaのメロディと、少し下でそれを支えるニッケルハルパの安定感。 このあたりの要素は維持しつつも落ち着きは過去作より増していて、かっこいいんだけど振り落とされずに聴けるようなサウンドに仕上がっていると感じます。 それにしたってタイトルが「Allegro Violento」ですからね!クラシック用語で「快活に、激しく」といったところでしょうか。その点はErika節を期待している皆さんにもご納得いただけるCDかと。 伝統性 ★★★☆☆ かっこよさ★★★★★ 演奏技術 ★★★★★ 民族音楽感★★★☆☆ 全11曲 約37分(曲数を減らして1曲あたりの密度を上げてきた印象です) 関連CD Pärlor / Erika&Cecilia https://resonosound.thebase.in/items/26383345 Örhängen / Erika & Cecilia (彼女たちの2ndアルバム) https://resonosound.thebase.in/items/32134063
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【北欧文化交流センター】Trading Nordic Traditions / TRANOTRA【北欧CD】
¥2,700
スウェーデンのフィドル・ヴィオラ奏者、デンマークのクラリネット奏者、ノルウェーのフィドル奏者、フィンランド/スウェーデンのアコーディオン奏者…と北欧諸国(アイスランドを除く)から演奏家が一人ずつ参加しているバンド、Trading Nordic Traditions通称Tranotoraのアルバム。 曲目はほとんどオリジナルですがメンバーそれぞれの方向性の違う曲は聴いていて面白いです。 私が聞くと、デンマークっぽい、フィンランドっぽい、なんて思ったりするのですが作曲者が必ずしも当たっているわけじゃなく、案外アレンジによって左右されるんだなと感じています。 クラリネットは通常の物に加えバスクラリネットも頻繁に登場します。 ちょうど空いている低音域を縦横無尽に駆け回るバスクラリネットは聞き所。 アコーディオンも曲によって笙のように聞こえるなど、国籍を意識しなくても充分楽しめるCDです。 曲の解説は流石北欧文化交流だけあって、英語で書かれています。 プロデュースはNordic TreeのTimo Alakotila ミックスはニッケルハルパ奏者のMagnus Holström そしてシベリウス音楽院の録音機材で録られている色々力の入った一枚です。 YouTubeで試聴ができます。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k10UK9cLz1Vzao8Dmn9JfSSkeXF0ru8Jc 曲のバラエティ度 ★★★★★ オリジナル度 ★★★★☆ 勢い度 ★★★☆☆ 伝統度 ★★☆☆☆ 全9曲 約50分
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【あのときのまま】Inga kônstigheter / Blå Bergens Borduner【北欧CD】
¥2,700
スウェーデンのフォークバンドBlå Bergens Borduner、通称BBBの2ndアルバムです。 ご留意いただきたいのは、1993年発売のファーストアルバムも全く同じ構図で撮影されたジャケットを使用しており、唯一違うのは彼らが年を取ったということ…そしてご覧いただいているのは2015年発売の2枚目のアルバムです。 フィドル、ブズーキ、チェロ、そしてセックピーパというスウェーデンのバグパイプが主役を張っているアルバムです。 セックピーパについてはこちら https://www.resono-sound.com/2021/04/13/post-1657/ 方向性としては民俗音楽的な曲調が多め。 セックピーパは多くの人が想像しているバグパイプよりも騒がしくなく、リードの木管楽器のような独特な音色をしています。 かっこいい系、民俗音楽的エッセンスがお好きな方にはおすすめしたい良いアンサンブルです。絡んでくるチェロの旋律が心地良いです。 こちらのアルバムはYouTubeで試聴することができます。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mweUyy6AujaCNWLdpVw5IohtHY88flkrI 曲のバラエティ度★★★☆☆ アンサンブル ★★★☆☆ 民族音楽感 ★★★★☆ 演奏技術 ★★★☆☆ 全14曲 約50分
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【北欧とおしゃれと古楽器と】Fri / Garizim 【北欧CD】
¥2,800
Garizimはハーディガーディ、サックス、コントラバスの3人で構成されたグループで、北欧やフランストラッドをジャズの語法を用いておしゃれにアレンジするスタイルが人気です。 ハーディガーディという楽器について念のため解説をしておくと、バイオリンで言う弓の代わりにハンドルを回すことで音を鳴らす楽器で、音程は鍵盤によって操作されます。ドローン弦と呼ばれる同じ音を出し続ける弦が備わっていることからバグパイプの代わりに使われることもしばしばあります。 ということもありハーディガーディの入った音楽は古楽的になることが多いのですが、Garizimは違います。 なにせハーディガーディ奏者のJohannes Geworkian Hellmanが最新のハーディガーディを紹介する動画を見たことがあるのですが、「こんな機能までついているんだ!」と最新の家電を紹介しているようでした(笑) ドローン弦をオフにしたり、オーバードライブをかけたような音にしたり、なんかもうやりたい放題でした。 ということで彼のハーディガーディはこの3人のジャズ的な音楽性を実現する、非常に綺麗な音を出しています。 サックスもElias Frigårdはソプラノからバリトンまでのサックスを吹き分ける手練れで、このアルバムでは主にソプラノサックスを使用していますが北欧らしい調和する音色です。 コントラバスのJordi Carrasco Hjelmはピチカートもさることながら弓の音が非常に良い音です。アルバムの一曲目はコントラバスのメロディから始まるのですが、「いい音だな~」と思ったのがこのアルバムを仕入れたきっかけの一つでした。 スウェーデンのトラッドとその他ヨーロッパのトラッド、そしてオリジナルを全てGarizimアレンジし、同じテイストで味わえるようにしたようなアルバムです。 動画をご覧いただくのが早いと思いますが、方向性はジャズです。 カジュアルに聴きやすいおすすめのCDです。ぜひ。 聴きやすさ★★★☆☆ 民族音楽感★★☆☆☆ おしゃれさ★★★★☆ モダン度 ★★★★★ 全9曲 約50分 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/aLkRzKH_sPA https://youtu.be/riCyj7Bt_BU https://youtu.be/sV7UyD6nazM
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【聴きすぎ注意】Hets med folkgrupp / VILDE【北欧CD】
¥2,800
このCDはニッケルハルパ×ギター×クラリネットという編成を基本としていますが、トラックごとに違ったゲストミュージシャンが参加しています。 VILDE Rikard Emgblom (ニッケルハルパ ) Nisse Blomster (ギター) Erik Larsson (クラリネット) オリジナル曲もあればスウェーデンの伝統曲や他の著名なミュージシャンの曲のカバーもしているのですが、VILDEアレンジが加わることによって知っている曲でもしばらく気付かずにいたりするんです。それが面白いところ。 したがって比較的、アレンジには力を入れている印象がありますが、味付けが濃すぎないちょうど良さは魅力です。 それから擦弦楽器、撥弦楽器、木管楽器と音色の違う楽器が3つであることを時に活かしつつ、時に上手く混ざり合いつつ曲を組み立てていくアンサンブルのスタイルはかなり心地良いです。全員主役、全員脇役。 VILDE、一般名詞なのも相まって(蛮族とかそんな意味合いのようです)YouTubeで探すのが難しいのですが、恐らく一番活動的と思われるギターのNisse Blomsterはまだヒットしてくれます。 にもかかわらずこのCDは全部YouTubeに上がっていて試聴することができます。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_loSzwKNhxVEPzUYaHIRKYK9aoF-VkOi0w 聴きやすさ★★★★☆ 民族音楽感★★★☆☆ バラエティ★★★★☆ モダン度 ★★★☆☆ 全12曲 約55分 あの、結構中毒性あります。 BASEショッピングアプリでご覧の方はこちらのリンクから参考動画が見られます。 https://youtu.be/ekvzTLsdvHo https://youtu.be/kV7-35mnPh4
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【役割分担の妙技】 Hommage | Collage / Nordic【北欧CD】
¥2,800
Nordicは演奏がひたすら上手いスウェーデンのフォークトリオです。 唯一の欠点は名称が一般名詞なせいで検索しづらい程度でしょうか。 〈メンバー〉 Eric Rydval - ニッケルハルパ Anders Lövberg - チェロ Magnus Zetterlund - マンドリン という構成になっています。 それぞれソロや別のユニットでも活躍している3人ですが、近年とりわけ目立つのはニッケルハルパのEric Rydval。バッハやヴィヴァルディのヴァイオリン曲をニッケルハルパで弾きこなしオーケストラと共演するなどプレイヤーとして一線に立ち続けています。 出す音の綺麗さやアプローチ、和声感はクラシック音楽的要素を匂わせるものがあります。 チェロのAnders Lövbergはフィドル、チェロ、コントラバス、ヴィオラダモーレ、ハーディングフェーレなどそのへんにある弓奏楽器ならなんでも弾ける凄まじい人です。 この人のチェロを聴いたときは「低音のフォークフィドル」だ、と思いました。メロディから伴奏まで役割に囚われていない縦横無尽さはフィドルもコントラバスも演奏する引き出しの多さが故でしょうか。 当店では彼の音だけを楽しめるソロアルバムも取り扱っております。 https://resonosound.thebase.in/items/25840189 また、Magnus Zetterlundは北欧音楽シーンでは比較的珍しいマンドリン奏者。 アイリッシュ方面でも活躍しているほか、ストックホルムの王立音楽院で教鞭を執っています。 …なんかステータスだけで上手いのが保証されている感じになりますよね。 その期待を裏切らないので彼らはすごいのですが。 北欧要素もアイリッシュ要素もクラシック要素も盛り込みました! 演奏も上手い! その代わりほぼオリジナル曲で、民俗感は薄めです! というのが端的な評価でしょうか。 ”Nordic”というジャンルを聴くと思っていただければ間違いないかと。 聴きやすさ ★★★★☆ 民族音楽感 ★☆☆☆☆ 華やかさ ★★★★☆ バラエティ度★★★★★ 2012年発売 1stアルバム Hommage 全11曲 約50分 こちらはYouTubeで全曲試聴可能です https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mGenGy_qBwO7m5u7E_YahrNvzc0D3HxTU 2016年発売 2ndアルバム Collage 全9曲 約45分 下の掲載動画はこちらのアルバムの収録曲です。 1stと比べるとちょっと落ち着いてきれいめ寄りになった印象。 1st,2nd二枚同時購入キャンペーン実施中! https://resonosound.thebase.in/items/41064121 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/EAkfRJpkk50 https://youtu.be/rqgmOYpLLuo https://youtu.be/Z5ydSmGrCuU
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【スウェディッシュ×アイリッシュ】Fru Fortuna / KRACK
¥3,000
2019年夏に5枚だけ入荷したところ即完売したCDを再入荷できました! スウェーデンのフィドラーでありつつ、アイリッシュフィドルコースの教鞭も執っている Jennikel Andersson(Fiddle, concertina)を中心に、 Clara Andermo (Fiddle, alto fiddle) Lisa Klevebran (Flauto traverso, tin whistle) Erik Ronström (Guitar, piano) Johan Ronström (mandolin, percussion) の5人からなるKrack(クラーク)のアルバムです。 メンバーのスペルからなんとなく察しているかもしれませんが、スウェーデンのミュージシャンとアイルランドのミュージシャンが混ざったバンドです。 演奏曲はジグ、リール、ホーンパイプ、ポルカ、といったアイルランド伝統音楽をベースにしたものと、ポルスカ、ショッティスなどスウェーデン音楽をベースにしたものが両方取り入れられています。 北欧音楽を広めていると「ケルト音楽」と「北欧音楽」を一緒くたに認識されることがままあるのですが(それ自体は全く構わないです)、こちらはアイリッシュとスウェディッシュを同じメンバーが演奏しているCDなので通して聴くと「思ってたより似ていないぞ」ということに気付けるかもしれません。 どちらが良いという話では無いのですが(また無印良品では両方流れているのでなおさらややこしいですが)このアルバムにおける軽快なダンスチューンのアイリッシュと比べるとスウェディッシュはちょっともの悲しいような印象を持つと思います。それが全てではありませんが、特徴的な要素は出ているなと感じます。 逆に普段アイリッシュを聴いている人に聴かせると「アイリッシュがアイリッシュっぽくない」というような感想をいただくこともあり、双方に作用し合った"スウェディッシュアイリッシュ"という独自のジャンルなのかもしれないですね。 全部で12曲収録されていて、全体的な傾向としてはアイリッシュ寄りの爽やかめなアルバムとなっています。 なおギターのErik RonströmはMASSIVETというスウェーデンフォークバンドやKongeroというアカペラグループのプロデュースでも活躍している奏者です。そちらもぜひ。 爽やか度 ★★★★☆ 聴きやすさ ★★★★★ 民族音楽感 ★★★☆☆ バラエティ度★★★★☆ 全12曲 約55分 ブックレットはスウェーデン語と英語が併記。 関連CD →MASSIVET / MASSIVET https://resonosound.thebase.in/items/26331381
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【北欧JAZZ】The Onion's Core / IDKA JAZZ【おしゃかっこいい】
¥2,750
レソノサウンドでは北欧、特にスウェーデンのフォークを中心に取り扱っていますが、今回取引したレーベルがたまたまジャズのCDを取り扱っていて、検索してみたらわりと良かったので民俗音楽とは関係無いのですが仕入れちゃいました! サックス奏者 Ida Karlsson にピアノ Martin Juteus, ドラム Pontus Häggblom, ベース Zacharias Holmkvist が加わったカルテットでの演奏。 曲は全てサックス奏者 Ida Karlssonの作曲です。 ストックホルムのあたりまで来るとトラッドよりもポップスやジャズ、それからロックにメタルと様々な音楽を聴く機会の方が多くなってきます。 国際化――それはすなわち民族性の喪失にも近い現象でもあり、言語が無いインストの分野ではその国らしさがどの程度残るかは非常に難しい問題とも言えるでしょう。 ただ、全ての音楽がそうというわけではありませんが、スウェーデンの音楽は独特の浮遊感…言い換えれば重心の高さを感じることが多いです。 どことなくふわっとした感じというか、そういうノリ方をするのはフォークもポップスもそしてジャズにも共通していることかもしれないなとふと思いました。 このカルテットもただ上手いだけではなく、そういった軽さを持ち合わせているので北欧っぽいなと思いながら聴けるアルバムになっています。 なおこちらのアルバムはYouTubeで全曲試聴できます →https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mUgNmnWTqzcPQHGyUQGGg94vosz6UiAOI フォーク屋さんがたまたま扱うジャズCDに興味がある方はぜひぜひ。 全8曲 約45分 ブックレット等は特にございません。 サックスの活躍するフォークCDもご一緒にどうぞ! Skogen i Staden / Goodland Trio https://resonosound.thebase.in/items/38223372 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/GcFafqc8Ju0 https://youtu.be/LKHquowHdv8 https://youtu.be/oJZCV3Rv3Hw
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【フォークアカペラ女声4重奏】kongero【北欧CD】
¥2,800
スウェーデンのフォークヴォーカルユニットkongeroのCDが3種類入荷しました! kongeroはアカペラで北欧のフォーク、オリジナル曲を歌う女声4声のアカペラグループ。 北欧にはkrajaなどアカペラグループがいくつかありますが、kongeroは美しさと民俗音楽感を上手く両立させている点で国内外問わずファンの多いグループです。 全体を通してスウェーデン語の歌詞で裏声よりきれいな地声を使う…北欧独特の歌唱法を用いています。スウェーデン語のさえずるような発音と巻き舌を使う民俗感は癖になります。言葉がわからなくても聴いていて楽しい言語だなと思います。 歌として残っている伝承曲、歌詞だけが残っていて彼女たちがメロディをつけたもの、楽器のための曲を歌詞の無い歌として歌ったもの、それからオリジナル曲と様々なパターンがありますが、いずれも組み立て方が素晴らしいんですよね、多声的な、メロディとハモりという形に収まらないスタイルは一体どうやって作っているんだろうと思うばかりです。 3つのCDもおおよそそのスタイルに則っているのですが、少しずつ紹介します。 om mikaelidagen (2008) (Member: Emma Björling, Emma Ludvigson, Lovisa Liljeberg, Josefin Peters) kongeroの1stアルバムです。 このときからkongeroとしてのスタイルは確立されていて、全く以て素晴らしいアルバムだと思います。 4曲目 kom å ta mejのような別の動きがだんだん増えていく形の曲は個人的にテンションが上がります。 11曲目 En lantman och en sjömanはフィンランドの伝統曲(歌詞はスウェーデン語です)だったりレパートリーは国内に限りません。 きれいさと勢いが上手い具合に両立しているアルバムかと。 全15曲 約40分 癒やし・◎・・・勢い 綺麗さ・・◎・・民俗感 Bakvända Världen (2011) (Member: Emma Björling, Lotta Björling, Lovisa Liljeberg, Anna Wikenius) こちらは2ndアルバム。メンバーが2名入れ替わっています。 1stと比べるとやや民族色と勢いが強めかな?と思います。 でもきれいめなトラックはどこまでも美しいのでちょっとそういう曲調が多いかな?程度です。 あと多分このアルバムが一番世界的には売れているのではないかと…推測ですが検索のヒット数が多いので。 癒やし・・◎・・勢い 綺麗さ・・・◎・民俗感 全12曲 約40分 kom (2018) (Member : Emma Björling, Lotta Björling, Anna Larsson, Anna Wikenius) 4thアルバム。3rdは入荷できませんでした…すみません。 2021年1月現在最も新しいアルバムになります。メンバーはさらに1人入れ替わり、創設時のメンバーはEmma Björlingのみに。 上2枚のアルバムはきれいさと民俗感を両立していることを売りに紹介していましたがこのアルバムはかなりきれいめに寄っていると思います。 そういった音楽がお好きな方には一番向いているアルバムかなと思いますし、癒やし係数は一番高いと思います。それでも歌唱法が民俗的なものなので、あくまでフォークグループなのがすごいところ。 TV-valsやGökpolskaはフィドルなどで演奏される伝統的な曲で、彼女たちはハミング的な歌詞の無い歌で演じています。それらはまた違った民俗的なキャラクターの作品で、どちらも良いのです。 全13曲 約40分 癒やし◎・・・・勢い 綺麗さ◎・・・・民俗感 いずれもスウェーデン語のブックレット(歌詞カード)付きです。 スウェーデン語ですが、トラッドなのか、オリジナルなのか、などはフォーマットさえ掴めれば読めるようになると思います。 また!こちら3枚をまとめ買いするとちょっとお得にお買い求めいただけるプランもご用意しましたのでぜひご検討くださいませ。 →https://resonosound.thebase.in/items/38314142 公式HPから試聴ができます→http://kongero.se/musik/ 関連CD →Två / LYY(Emma Björlingがヴォーカルを務めるポップフォークバンド) https://resonosound.thebase.in/items/24229178 Tre / LYY https://resonosound.thebase.in/items/24229186 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/VrHTlgFE-eg https://youtu.be/0QhseN7VYMU https://youtu.be/7ix2z5chIJA https://youtu.be/KDzqQnA5EEw
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【森の中の街】Skogen i Staden / Goodland Trio【北欧CD】
¥2,800
Goodland Trioはスウェーデンのフォークを演奏する3人組です。今は残念ながらほぼ活動していないみたいですが。 なんと言っても珍しいのがその組み合わせ! ソプラノサックス - Hanna Wiskari Griffits アコーディオン - Jonathan Larsson 12弦ギター - Oskar Reuter というメンバーで構成されており、トラックによってはフィドルやヴィオラがゲストミュージシャンとして参加していることはあるものの、基本的にその3つの楽器の組み合わせでオリジナルの北欧フォークを作り出しています。 サックス、しかもソプラノサックスはジャズでもクラシックでもメインメロディーをとることが多く比較的主張の強めな楽器だと思っていたのですが、Hannaの演奏するサックスは時としてクラリネットやフルートに聞こえる瞬間すらあるほど柔らかい音色でメロディーはもちろんハモりに回ったときの聴き心地の良さは格別です。 曲はトラッド風ではあるものの全曲がオリジナル曲となっていて、アルバム全体としてはスウェーデンもしくはデンマークのフォークに近い雰囲気の曲が多いかなと思います。 明るすぎず暗すぎず、どことなく哀愁のようなものが漂っています。 タイトルは The forest in the city モダンな都会っぽさと霧がかる森の空気感がまさに両立している良いアルバムです。 聴きやすさ★★★★★ 民族音楽感★★☆☆☆ 癒やし ★★★☆☆ モダン度 ★★★★☆ 全12曲 約50分 BASEショッピングアプリでご覧の方はこちらのリンクから参考動画が見られます。 https://youtu.be/g0HeTUwmpSo https://youtu.be/xAnw24SfjZE https://youtu.be/GgQCyL9vTDo
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【フォークとポップと透き通る声】Två / LYY【北欧CD】
¥2,800
今回ご紹介するCDは北欧音楽系CDの中でも全編通してボーカルのいるポップなバンド、LYYの2ndアルバム!(2012年リリース) ヴォーカルのEmmaはkongeroという女声ヴォーカル4人のフォークアカペラグループでも活動している他、ニッケルハルパのDavidは伝統音楽の演奏家としても名高い奏者ですが、このアルバムではヴォーカル、フィドル、ニッケルハルパ、ギター、パーカッションのバンド編成で演奏しており、歌自体は伝統曲のものもあるのですがアレンジはかなりポップめでフォークとポップスの融合という印象です。透き通る歌声にスウェーデン語の歌詞は聴いていて心地良く、フォーク(民俗音楽)のイメージよりずっとキャッチーでノリノリになれるアルバムです。 同じメンバーでリリースして当店で扱っているアルバム「Tre」と比べると、使われている楽器も少なくアレンジも複雑でないためとにかく楽しい印象で最後まで聴けてしまうそんな一枚です! オリジナル度★★★★★ ポップ度 ★★★★★ 癒やし度 ★★★★☆ 民族音楽感 ★☆☆☆☆ 全14曲 約60分 関連CD →Tre / LYY https://resonosound.thebase.in/items/24229186 kongero(ヴォーカルのEmmaが参加しているアカペラ合唱グループ) https://resonosound.thebase.in/items/38313786 公式HPから試聴ができます→http://lyy.se/music/ ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/Lg4I26Mpxbk https://youtu.be/KseGXNsCZTM https://youtu.be/iR3Mms1di1k
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【隠し味には哀愁を】Tre / LYY【北欧CD】
¥2,800
今回ご紹介するCDは北欧音楽系CDの中でも全編通してボーカルのいるポップなバンド、LYYの3rdアルバム!(2016年リリース) ヴォーカルのEmmaは女声ヴォーカル4人によるフォークアカペラグループkongeroでも活動している他、ニッケルハルパのDavidは伝統音楽の演奏家としても名高い奏者ですが、このアルバムではヴォーカル、フィドル、ニッケルハルパ、ギター、パーカッションのバンド編成で演奏しており、歌自体は伝統曲のものもあるのですがアレンジの仕方がポップめでフォークとポップスの融合という印象です。 透き通る歌声にスウェーデン語の歌詞は聴いていて心地良く、フォーク(民俗音楽)のイメージよりずっとキャッチーで、難しいことを考えずに楽しめるアルバムです。 同じメンバーでリリースして当店で扱っているアルバム「Två」と比べると、使われている楽器やバックコーラスなどが音の厚みが増し、またアレンジもちょっと感傷的になれるような適度にキャッチーで適度にメランコリーな方向性になっています。 オリジナル度★★★★★ ポップ度 ★★★★☆ 癒やし度 ★★★☆☆ 民族音楽感 ★☆☆☆☆ 全11曲 約45分 関連CD →Två / LYY https://resonosound.thebase.in/items/24229178 kongero(ヴォーカルのEmmaが参加しているアカペラ合唱グループ) https://resonosound.thebase.in/items/38313786 公式HPから試聴ができます→http://lyy.se/music/ ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/Lg4I26Mpxbk https://youtu.be/KseGXNsCZTM https://youtu.be/iR3Mms1di1k
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【三位一体の共鳴】Northern Resonance / Northern Resonance【北欧CD】
¥2,850
バンド名、そしてアルバムのタイトルにもなっているNorthern Resonance―北部の共鳴―の名前の通り、スウェーデンのニッケルハルパ、ノルウェーのハーディングフェーレ、そしてヨーロッパで古くから弾かれてきたヴィオラ・ダ・モーレという「共鳴弦」を持つ楽器3人によるアンサンブル。2020年にリリースされたばかりの最新作です。 共鳴弦は楽器の音色に艶を与え独特な響きをもたらす効果がありますが、通常、共鳴弦を持つ楽器だけでこのようにアンサンブルすることはあまり多くありません。というのも、共鳴音が飽和しすぎて音がモコモコしてしまったりレコーディングが非常に難しくなるからです。しかし、本作のレコーディングはスウェーデンフォークバンドの金字塔VäsenのMichael Marinが監修。メロディ弦ははっきりした輪郭を持ちながら、ふわっとするような共鳴弦の響きも丁寧に捉えています。正直、どうやってレコーディングしたらこうなるのか見当もつかないほどです。 演奏者は若手の中でも一目置かれる腕の立つ3人。特にニッケルハルパのPetrusとハーディングフェーレのJerkerはJäktaというバンドでも共演しています。曲はオリジナルがほとんどですが北欧音楽らしさを各所に残しながら共鳴弦の響きを感じられる美しい曲を演奏していて、彼らの場合はオリジナル曲の方が魅力が際立つ気がします。 奇跡的なレコーディングです。本当に。 聴きやすさ★★★★☆ 民族音楽感★★★☆☆ 華やかさ ★★★★★ 美しさ ★★★★★ 全11曲 約50分 関連CD JÄKTA / Hans-Ers, Rutanen & Dillner https://resonosound.thebase.in/items/36935493 Debut / TRIO TÖRN https://resonosound.thebase.in/items/23665031 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/AuSkDpT-CXg https://youtu.be/QrqECJlxhTg https://youtu.be/8joIpPUIBrA
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【Hummelと歌】Sancta Simplocitas / Erik Hector【北欧CD】
¥2,700
皆さんはHummelという楽器をご存じでしょうか。 ツィターの仲間で、テーブルに楽器を置いてピックで演奏する…西洋の大正琴のような楽器です。スウェーデンでは18世紀頃、南スウェーデンを中心に普及した楽器と言われています。ヘッドがバイオリンのように渦巻きになっているところが特徴的ですね。 このCDではそんなHummelのために書かれた曲や宗教歌をHummel奏者の第一人者であるErik Hectorが演奏しています。 Hummelのソロから、歌の伴奏としても使われてきた伝統的な用法を楽しむことができるCDです。一部のトラックではマルチインストゥルメンタリストのJonas Åkerlundが笛やセックピーパで曲を彩ります。 珍しい楽器がお好きな方、Hummelをこの機会に押さえてみてはいかがでしょうか。 参考音源としてHummelの動画を添付します(演奏者は別の方になります) https://youtu.be/p6L5V14ldtw https://youtu.be/MkJA5o9VaMQ
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【古楽的解釈論】silfver / silfver 【北欧CD】
¥2,800
フォークファン、そして古楽ファンの皆様、お待たせ致しました。 ジャケットに堂々と書かれたFolk / Baroque from Swedenが印象的で入荷したCDの登場です。 このCDはフォークフィドルやヴィオラ・ダ・モーレを演奏するPelle Björnlert ニッケルハルパのJohan Hedinに 古楽ミュージシャン2名、ヴィオラ・ダ・ガンバのNora Roll、バロックリュートのSven Åbergがコラボした面白い編成で、バロック音楽や伝統音楽を古楽的かつフォーク的解釈で演奏しているものとなっています。 ペッレはフォークミュージシャンではありますがオリジナル曲にはクラシカルな曲調のものも多く、やはり古楽への親和性も高いことがこのアルバムを通して感じられます。 スウェーデンの伝統曲は時々、とてもクラシック音楽のような表情を見せることがあります。特にスウェーデンでも南の方の音楽に多いです。そういった音楽性はかつて古楽が盛んに演奏されていたからなのか、それは定かではありませんが古楽好きなフォークミュージシャンは一定数いる印象です。彼らもまさしくそうで、ただお互いが好きなことをやったら結果として辿り着くところへ辿り着いたような運命のようなものを感じます。 クラシック音楽もフォークミュージックも好きな方にはおすすめのCD。 全21曲、約55分。 知る人いわく、結構レアな1枚らしいです。お見逃し無く。 こちらのCDはYouTubeで全曲の試聴が可能です。 https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k7rngDbT-jJV9-6T5WlwFSXAlU4r8hDAc 関連CD→d'amore / Pelle Björnlert https://resonosound.thebase.in/items/26606605
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【失われかけた音楽】Wesslén / Markus Svensson【北欧CD】
¥3,050
Markus Svenssonはニッケルハルパの上手い人を集めて構成されたNyckelharporkesternのアルバム全てに参加していることや、フォークミュージックのサマースクールでは講師を務めていることから、技術のみならず人柄まで評価の高い人物。 そして2019年に発売されたこのアルバムはマルクス初のソロアルバムなのですが、コンセプトがやや複雑なためCDの裏に書かれていたスウェーデン語の文章を大ざっぱに訳してこちらに記載します。 ―― ”このアルバムはMatts Wesslénによって記録された音楽をコントラバスハルパ、シルベルバスハルパで録音したものです。 Matts Wesslénは1812-1878の間、Upplandの教会のオルガン奏者そして鐘を鳴らす仕事をして暮らしていました。その傍らで彼は民族音楽にも強く惹かれていて、シルベルバスハルパ(古い時代のニッケルハルパ)の演奏家でもありました。 19世紀の有名なニッケルハルパ奏者であるByss-CalleはWesslénの暮らすÖsterlövsta教区から約25キロ北のÄlvkarleby地方で活躍していました。Wesslénは民族音楽の記録において多大な貢献をした人物で、その記録のうちのいくつかはByss-Calleにちなむものです。 1869年に、記録された資料は出版のためGävleへ送られますが、不幸にも街全体が被害に遭うほどの大火事によって原典は焼失してしまいます。 Wesslénは記憶から新しい記録を作り、これらは1879年にA.G.Rosenberg版の「420SvenskaDanspolskor」として出版されました。 Rosenbergは、当時一般的だったピアノのために曲をアレンジしてます。RosenbergがWesslénのオリジナルの記録にどれほど忠実であるかは定かではありません。 Wesslénの記録した94曲は小冊子にまとめられています。 記録された曲のほとんどはUppland地方のものですがGästrikland, Dalana, Ångermanland地方のものもあります。 Byss-Calleによるとされる曲を除いて、どの演奏家にちなむものなのかの記述はなく、曲名もないのでこのCDでは○○ efter Wesslénと呼んでいます。 メロディに名前がないのはこの時代にはよくあるケースで、A.G.Rosenberg版に割り振られている番号も同時に記載していますが、こう言った音楽は当時の典型的なスタイルの音楽であり、スウェーデンの様々な地域のフィドラーのための本から同じメロディが見つかっています。” ―― といった来歴のあるMatts Wesslénが残した曲を中心に、古い時代のニッケルハルパを使って録音したCDです。これは資料的価値がとても高いと言えるでしょう。 ニッケルハルパの種類についてはこちらにまとめてあります →https://www.resono-sound.com/nyckelharpatypology/ そもそも消えかけた音楽を残した人がいて、それでもCDに収める人は少なく、マルクスの手により再び生き返った、そんなようにすら思います。 余談ですがJ.S.Bachの曲はメンデルスゾーンが再発見しなければずっと埋もれたままになっていたのではないか、なんて話もあります。 フォークミュージックを楽譜に起こすことは未だに賛否両論の分かれるシビアな分野ではあります。しかし、それでも、消えるよりは残した方が、と個人的には思っています。 曲はその時代の曲なので、ドローン音(音程を動かさず鳴らし続ける音)が活躍する、土着の趣き漂う曲が中心です。 ただ、マルクスはとても綺麗な音で演奏する奏者ですので、こういったコンセプトの古い音楽を集めたCDの中ではかなり聴きやすい部類になります。 いや、本当に綺麗だな…と聞き返す度に思います。 古楽っぽい方向性では無いです。 丁寧な演奏で、およそ200年前に愛されていた音楽と出会えるなんて、ちょっと夢物語を感じます。 長くなりましたがモダンニッケルハルパには無い魅力を味わうのに最適なCDです。ぜひ。 伝統度 ★★★★★ 民俗音楽感★★★★☆ 曲の珍しさ★★★★★ 演奏技術 ★★★★★ 聴きやすさ★★★☆☆ 全17曲 約45分
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【伝統を識る者たち】Då och Nu / Stråkdrag【北欧CD】
¥3,000
スウェーデンの民俗楽器、ニッケルハルパを奏でる4人の集まりによって2020年にレコーディングされた「最新の」そして「伝統的な」アルバムです。 リーダー的立ち位置にいるNils Libergはスウェーデン中の伝統曲を集めて楽譜に起こし無料で閲覧できるようにしているサイト、Folkwikiの管理人でもあります。 Folkwikiはこちら→http://www.folkwiki.se/ 私も重宝しています。 そんな彼が中心にいるだけあって、曲のバリエーションは凄まじいです。 スウェーデンの中の様々な地域のみならず、ノルウェー曲まで。 解説は全編スウェーデン語ですが、慣れれば「誰の」「どの地域の」曲かは読めるようになります。私はスウェーデン語は読めませんが曲の紹介の文法はある程度フォーマットがあるのでなんとかなったりします。 Nilsともう一人のニッケルハルパ奏者Thorによって2019年にレコーディングされた前作がトラディショナルな演奏だったので、今回もその方向性で来るかと思いきや! 前作はこちら(https://resonosound.thebase.in/items/25862812) 今回の4人組はもちろん伝統曲を演奏し続けてきたグループの中の4人ではあるものの、曲のバリエーションは前述の通り、加えてアレンジも結構凝った仕上がりに。 有名な曲もあればNilsだからこそ知っているだろうという曲もあり、加えて数曲のオリジナル曲も演奏されています。 添加物は少なめながら、モダンさも感じる、非常にバランスの良いアレンジは、聴いているだけでも楽しいですが演奏をする人にとっても参考になることでしょう。 まさに、Då och Nu――Then and now――その時と今を繋ぐような傑作です。 ゲストとして、ニッケルハルパを通じて日本とスウェーデンを結んでいる音楽家、Louise Bylund(ルイース・ビュールンド)も参加しています。 いいですね、ニッケルハルパが4人いるグループのゲストにニッケルハルパを呼ぶあたり、いかに彼らがニッケルハルパを愛しているかが伝わってきます。 ニッケルハルパの音を楽しみたい、いろんな曲が知りたい、そんな方には特におすすめです。 好きな曲が見つかれば、その地方の曲を探ってみるのも面白いでしょう。 そのときはぜひYouTubeとFolkwikiで。 伝統度★★★★★ 民族音楽感★★★★☆ 曲のバラエティ度★★★★★ 演奏技術★★★★☆ 全22曲 約60分
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【華やかな伝統音楽】Den Nya Spisen / Spöket I Köket【北欧CD】
¥2,800
スウェーデンを中心とした総勢10名のミュージシャンが演奏する北欧~ケルト音楽の数々。 Polska, Schottisといったスウェーデンの伝統曲もあればアイルランドなどの伝統音楽でもあるJigやReelなども演奏しています。 10人もいると流石に編成が豪華。音圧もなかなかのものです。 特に、フォークの文脈に金管楽器が持ち込まれることは比較的少ないので、こういうアレンジがあるのか~!と、ジャズらしい和声の使い方と共に楽しめます。 ピアノが入るとやはりおしゃれで良いですね。 金管の音の柔らかさ、抜き具合は非常に心地良いです。 ボーカル入りの曲もあり曲調は軽快なものからしっとりした曲まで様々。 編成的にビッグバンドと形容していますが、特にジャズでは無いのでお気をつけを。 (ジャズっぽいコードが鳴っていたりはしますが) メンバーと編成はこんな感じ Nisse Blomster - feet, guitar Linnea Aall Campbell - fiddle Mads Kjøller-Henningsen - flute Lies Hendrix - melodeon Erik Bengtsson - double bass Emma Engström - piano Albin Lagg - trumpet Erik Larsson - clarinet Ella Wennerberg - trombone Henrik Büller - alto sax 全12曲 約55分 Spöket I Köketは『キッチンの幽霊』みたいな意味らしいです。 【こんな人におすすめ】 豪華なサウンドが好きな人、凝ったアレンジが好きな人、管楽器が好きな人、アイリッシュも北欧も好きな人 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/KDcgTCmsy0A https://youtu.be/yJIzoUS4dj4 https://youtu.be/R6W1yTzsJmY
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【丁寧に突っ走れ】MASSIVET / MASSIVET【北欧CD】
¥2,700
パンクロックバンドのようなジャケットとブックレットですが、編成はAdrian Jonas(Viola), David Eriksson(Nyckelharpa), Erik Ronström(Guitar), Leif Ottosson(Accordion), Valter Kinbom(Percussion), と、エレキギターなどはでてきません(笑) とはいえやはりかっこいい、イケイケなフォークを演奏しています。それぞれの奏者がそれぞれの楽器の名高い奏者でもあるだけに、安定感も抜群です。 オリジナルが多めではありますが、タイトル、もしくはブックレットの解説に「Polska」「Vals」「Schottis」など伝統的なダンスの名前が記載されていることもあり、かっこいいことをやっていますが彼らの根底にはフォークがあるのだと感じます。 それを裏付けるわけではありませんが、ニッケルハルパのDavidは民族音楽学校の講師も務める人物で、イケイケでも堅実にやることはちゃんとやっていると言うのがこのアルバムの印象です。 何曲かゲストで参加しているベーシストが良い仕事をしているのも高評価。メロディに同期しとりボトムを支えたり器用に立ち回っています。 サウンドとしてはパーカッションがいたときのVäsenに近いかもしれません。 オリジナル度★★★★☆ 勢い度★★★★☆ 民族音楽感★☆☆☆☆ 曲のバラエティ度★★★★☆ 【関連CD】 KONTRA https://resonosound.thebase.in/items/25841529 Två https://resonosound.thebase.in/items/24229178 Tre https://resonosound.thebase.in/items/24229186 YouTubeで彼らの演奏を聴くことができます。(なお動画はボーカルグループとのコラボ動画なので、このアルバムにはボーカルは収録されていません、あしからず) https://youtu.be/47Ekos395K0 https://youtu.be/-h4NPUqUnMU
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【疾走感と奥深さ】Holmgång / Ale karr & Esko Järvelä【北欧CD】
¥2,800
Dreamers Circusのシターン担当Ale Carrと、Frigg, Tsuumi sound systemなどで活躍するフィドラー、Esko Järveläのデュオアルバム。 アレはスウェーデンとデンマークの、エスコはフィンランドの伝統音楽を聴いて学んで育った過去があり、今の大御所のポジションにいるフォークバンドの息子世代、という若手ながらも頭一つ抜けた実力のある二人です。 アレの演奏しているシターンという楽器ですが、北欧マンドーラとも呼ばれ、そちらについてはこのブログで詳しく解説しております。 https://www.resono-sound.com/2020/07/04/post-842/ このアルバムの第一印象はキャッチーさです。 軽快なシターンの刻みと伸びやかなフィドルは聴いていてテンションが上がるタイプのCDであることは間違いないでしょう。 2曲のトラッドを除いてはオリジナル曲なのでその点も良い意味で聴かせてくれる曲をラインナップしていますね。 ただ、2回3回聴いているとキャッチーなだけではない味わいがあることに気が付きます。 リズムを刻んでいないときのシターンはまろやかな音色でフィドルに寄り添い、 エスコのフィドルはいかにもフィンランドのフィドルらしい独特の艶があります。 世界を股にかけ各地のフェスに出演している彼らが伝統音楽を愛していることは言わずとも伝わることでしょう。 あっという間に聴けてしまう疾走感と、繰り返し聞きたくなるコクの両立は難しく、 それが成し遂げられているこのCDは素晴らしいです。 どの国っぽい、がそれほど無いけど漠然と北欧っぽい、と感じるのも面白いところですね。 聴きやすさ ★★★★☆ 民族音楽感 ★★☆☆☆ 爽やかさ ★★★★☆ 演奏技術 ★★★★★ 全9曲 約45分 【こんな人におすすめ】 勢いのある演奏が好きな人、さわやかな音楽が聴きたい人、擦弦楽器と撥弦楽器の両方を楽しみたい人 ショッピングアプリBASEからご覧の方は以下のURLから参考動画が見られます。 https://youtu.be/hbMEensBSsg https://youtu.be/jKsgyDeBPy4 https://youtu.be/CBOhmIOw750
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